学校で教えてくれないお金の仕組み
最近、仮想通貨に関する話題が多くなってきましたが、その性質をきちんと知っていなければ今後取り扱っていきにくいものになってしまいます。
そもそもお金がどういう性質や仕組みになっているのかが分かっているかいないかで、今後普及していくであろう仮想通貨の価値の見極め方や感じ方が違ってきます。
日本では、なぜか学校で教えてくれなかった「お金」についての知識がとても重要です。
お金は専門家に任せておけば良かった時代はもう終わりました。
仮想通貨が普及していくこれからは「通貨の仕組み」というものをしっかりと身に付けておくことは必須です。
ではさっそく「お金」について考察していきましょう。
お金の仕組みについての基礎知識
そもそもこれまでに人類が歩んできた流れは、実に単純明快です。
不便を便利に変えて発展してきたという事実そのものですね。
これは先進諸国がとってきた道のりであり、開発途上国もやはり同様のプロセスで高度成長を目指しています。
先進諸国もさらに便利になることに務めています。
ガス、水道、電気などのインフラ整備に始まり、道路や航空技術の発達、さらにインターネットなど留まることはありません。
どんどん便利になってはきますが、それには莫大なお金が必要となります。
ではそのお金の出所はどこ?
税金です。
税収で賄えていけるのであれば何の問題もありませんが、残念ながらそれでは全く足りません。
維持するだけでも補えきれないのに、さらにもっと便利な世の中を目指す流れは誰にも止められません。
収入で支出を賄いきれないならば、とる方法はひとつしかありません。
借金するしかないですね。
つまり国債の発行です。
国債の出所はどこ?
国債は言うまでもなく借金ですから返さなければなりません。
黒字の年もあるならば、それは可能となります。
しかし日本の経済は1950年以降はただの一度も黒字だったためしがありません。
毎年借金が膨らみ続けているのに、返せる見込みがないどころか、逆に増え続けているのです。
この悪循環は絶えることがないのに、なぜ日本は破綻しなのか?
必要な支出が借金によって補えないならとるべき手段はひとつ。
お金を刷るしかありません。
財務省が発行する国債を日銀が買うという図式
ニュースでよく聞く「規制緩和」ということばがありますが、実際やっていることはお金を刷っているのです。
お金を刷って返しているのです。
あとはその繰り返しです。
ただしこれは日本だけで起こっていることではありません。
先進諸国は全て同様のメカニズムで保っているのです。
マネーサプライによる通貨の価値の変化
そうやってお金を増やすことをマネーサプライといいますがその結果、通貨の価値は下がり続けます。
需要と供給のメカニズムで自ずとそうなります。
限られた需要に対して供給量が多過ぎれば、ありがたみも薄くなるという理屈ですね。
マネーサプライの増加により、日本円の価値は下がり続けているのです。
昭和40年の平均年収は44万7,600円でした。
50年後の2015年ではそれが440万円になっているのです。
仮に50年前に、1万円を使わずに取っておいたとします。
当時の月収が約3万7,000円ということになりますから、1/4強ですね。
今の1万円の価値と比べると、とんでもなく価値がありますよね。
そのくらいお金の価値が下がっているということです。
お金が増えるとこのようなことになっていくのですね。
ちなみに50年前の初任給が2万8,000円〜3万8,000円だったのに対して、今では20万円近くです。
増え続ける累積赤字
現在(2015年度)の便利な日本を維持するには年間96.3兆円も必要とされます。
それに対しての税収はというと54.5兆円です。
これでは全然足りませんよね。
ちなみに1兆円といわれてもピンときませんが、仮に紀元0年から毎日100万円ずつ使い続けていたとしても、2017の現在の今もまだ届いていない金額です。
1960年以降税収が予算を上回ったことが一度もないどころか、その差は開いていく一方なのです。
2013年の累積赤字は1,107兆円となっています。
これは日本だけではなく、先進20カ国(G20)共通の状態で、高度成長しているG20は全て債務超過ということになっています。
2060年の日本では8,157兆円もの累積赤字が予想されています。
お金を刷り続けるわけですから、当然価値は下がり続けますが、ただし借金の価値も下がりますから、面白いことに財政破綻はしないのです。
つまりお金を刷り続ける限り財政破綻はしないということです。
価値が下がらないモノとは?
ではその逆に価値が下がらないモノの代表格が金(ゴールド)です。
その理由は埋蔵量が決まっているからです。
もちろん毎年採掘(マイニング)がされ続けています。
しかしそれも2040年頃には採り尽くしてしまいます。
しかも金の需要は増すばかり。
指輪やネックレスだけではありません。
今後も増え続けるだろうコンピューターなどの電子機器に多量の金が必要とされます。
一度味わった便利さを手放せない人類は、もうこの便利な環境は手放せません。
つまり、埋蔵量が決まっていて供給を圧倒的に超える需要が今後も増え続けるでしょう。
言い方を換えれば、金は今後ますます高くなっていくことが予想されるということです。
仮想通貨(暗号通貨)も上限枚数が最初から決まっています。
ということは金と同様の性質を持っているということです。
需要が増えれば価値が上がっていく性質も一緒です。
一方、需要がなければ価値はなくなってしまうこともまたあるわけです。
市場で必要とされるかどうかにかかっているということは、例えば現在基軸通貨として存在しているビットコインではなくて、その仮想通貨でなくてはならない理由があるかどうかが重要なのです。
需要があれば、それは金にもプラチナにもダイヤモンドにもなりますが、逆に必要とされる理由がなければガラクタ同様に価値も生まれないということです。
このように仮想通貨(暗号通貨)は金の性質と非常に似ています。