法定通貨と仮想通貨[暗号通貨]の決定的な違い
法定通貨(お金)は国家の信用の上に成り立っています。
つまり通貨を管理する中央銀行によって「これはお金である」と認めらている通貨です。
当然国によって管理されていますので、国債発行などでマネーサプライを行えばその価値が下がったりします。
国際社会に於いてのその国の信用度が下がれば、アルゼンチンやジンバブエのように通貨が紙切れ同然にもなり得るのです。
一方、仮想通貨(暗号通貨)は管理する中央機関が介在しませんが、個人間で、ものやサービスの対価として直接取り引きが可能です。
簡単にいうと、仮想通貨は政府も銀行も介在しないお金ということになります。
ちょっと分かりにくいですよね。
では仮想通貨を分かりやすい例でご説明します。
“約束”に支えられた仮想通貨[暗号通貨]の価値
「人生ゲーム」を想像してみてください。
その中におもちゃのお金が入っていますよね。
例えば限られた10人の中で、このおもちゃのお金を「通貨として流通させようね」という取り決めをしたとします。
少なくてもこの10人の間では、それをお金として流通させることができます。
その中にパン屋さんBがいたとします。
そしてその中のひとりAさんがパン屋さんBに行って、日本円でパンを買うことができるのは当たり前ですが、人生ゲームのお金を支払ってもパンを買うことができますよね。
なぜならそのような取り決めをしているから。
このふたりの取り引きを他の8人が承認しているからできることですよね。
そんなイメージです。
この10人の中には本屋さんCもいたとします。
先ほどAさんにパンを売ったそのお金で、今度はパン屋さんBが同様に本屋さんCのところに行っても、やはり雑誌を買うことができますよね。
仮想通貨の考え方は基本的に、このような考え方なのです。
このやり取りには、政府も銀行もなく、個人から個人の取り引きが成立しているいうのが大きな特徴です。
もうひとつ他の例を出してみます。
第三者機関を通すことなく、個人から個人へと仕組みを変えたものがあります。
「Skype」です。
電話しかなかった時代に、誰かと通話しようと思ったら、NTTなどの電話会社を通すしかありませんでした。
これは電話回線を持つ組織経由でつながるわけです。
Skypeはインターネット回線を通じて直接つながっています。
これとも似ていますね。
仮想通貨(暗号通貨)も同様で、大きな組織が介在しなく、いつでもどこでも個人と個人が直接取り引きができるのです。
仮想通貨[暗号通貨]を支えるブロックチェーン
先ほど「10人の取り決め」の例を出しましたが、メンバー同士の取り引きが成立するためには、他のメンバーの承認が得られることが条件でした。
この承認システムを世界中に行き渡らせているのが「ブロックチェーン」というシステムなのです。
かつては第三者機関を通して行わなければならなかった取り引きを、ブロックチェーンという分散型コンピュータ・ネットワークがそれを承認することで成り立っています。
世界中に散らばるサーバーによって、全取引履歴のデータを同時に監視し合っているイメージです。
例えば誰かが、自分のお財布の残高が100BTCしかないのに1,000BTCあるように偽装しようとしても、世界中で共有されるブロックチェーンにはそのような記録は存在しません。
つまりブロックチェーンにはそもそもバレているので、取り引きが拒否されて実行することは不可能となります。
このように、仮想通貨(暗号通貨)はブロックチェーンの上で成り立っているので、力を持った何者であろうと支配されることがありえないのです。
仮想通貨[暗号通貨]が世の中に普及する理由
既にお金が存在するのに、なぜ新しい通貨(仮想通貨)が生まれるのか?
それは必要性があるからです。
一番の理由は送金の手段です。
仮想通貨の特徴
① 個人同士で直接取り引きできる
② 銀行や手形交換所を通す必要がない
③ 手数料が安い
④ 24時間どこの国でも使用ができる
日本人が知らない世界の常識
日本人の銀行口座保有率は97.6%ですが、実は日本は世界でも珍しいくらいに恵まれた国なのです。
世界でも例を見ない銀行網の発達した国です。
日本ほど送金の速度が速く、手数料が安い国は世界中探してもそうそうありません。
この日本の常識は世界とは全く異なっているのが事実です。
最近新興国として注目を浴びているフィリピンでは、国民の30%しか銀行口座を持っていなく、お金を送る際には大きな問題を抱えています。
ましてや、世界中に数多くある後進国ならば、さらに問題は深刻です。
あるいは先進国であるアメリカのニューヨークからロサンゼルスに送金するとします。
日本では、届くのに翌日くらいが常識ですが、アメリカでは3日〜5日かかるのが普通です。
手数料をとってみても、日本ならば数百円のところ、アメリカでは数千円かかります。
このように世界中では、送金することが相当やっかいな問題になっているのです。
ましてや海外への送金となれば、尚更です。
出典:ニューヨークの観光旅行情報サイト BASIK NEW YORK
そこで考えてみてください。
銀行を通さずに、個人から個人に直接お金を送れたらもの凄く便利ですよね。
先ほど例にあげた、国民の30%しか銀行口座を持っていないフィリピンでのスマホ普及率は実に108%にもなります。
今までは、海外送金には「ウエスタンユニオン」などの送金代行サービスを通していましたが、この手数料がかなり高いのです。
5万円の送金に5,000円くらいかかってしまいます。
しかしこれをスマホからスマホへ、しかも手数料が限りなくゼロに近く送れるとしたら誰も放っておかないでしょう。
それを可能にしたのが仮想通貨(暗号通貨)なのです。